モラハラ

「マズい弁当作るな!!」と言う夫に「私は作ってないけど?」と伝えた結果【14】

 

私は料理教室に通い始めた。

 

料理を学ぶことで、新しい自分を

見つけることができた。

 

かつてタケシが『まずい』と

言って捨てたのは、

カナが作ったお弁当だった。

 

今では、私とカナで一緒に

お弁当を作る時間が

何よりも大切な時間になった。

 

『ママと作るお弁当が大好き!

一緒に作ると、

もっと美味しくなるね!』

とカナが笑顔で言ってくれる。

 

この瞬間こそが、私たちの

幸せなのだと心から

感じられるようになった。

 

ある日、サオリから連絡があった。

 

サオリ

「タケシのこと、

聞いたんだけどさ。

今、本当に大変みたい。

 

仕事も見つからないし、

出会い系アプリでも相手が

見つからなくなっちゃったって。

昔みたいに女性と簡単に

会えなくなったみたいなの。」

 

「効果というか…

でも、正直もうタケシのことは

どうでもいいの。

私たちの人生に

関係ない人だから。」

 

サオリ

「そっか…

でも、あなた強くなったね。」

 

「うん、過去は過去。

今は前を向いて

生きていくだけよ。」

 

電話を切った後、

私はカナの寝顔を見に行った。

 

娘の寝顔を見ていると、

心が落ち着く。

 

あれから1年が経った頃の

ある朝のこと。

 

「カナ、起きる時間よ

今日は大切な日だって覚えてる?」

 

カナ

「あっ!そうだった!」

 

娘が飛び起きる様子を見て、

思わず笑みがこぼれた。

 

今日は私たちの

「新しい人生記念日」

 

タケシと別れて

新しい生活を始めてから、

ちょうど1年が経つ日なんだ。

 

朝食の時間。テーブルには、

カナの大好物の

パンケーキが並んでいる。

 

カナ

「わぁ!

ママのパンケーキ大好き!」

 

「ふふ、料理教室で習った

レシピなのよ。

カナが喜んでくれるのが

一番嬉しいわ」

 

朝食を食べながら、この1年間の

ことを思い返していた。

辛いこともあったけど、それ以上に

幸せなことがたくさんあった。