私
「あなたは結婚前から、ずっと
私たちを騙し続けてきたんだね。
結婚指輪を外して
独身ってことにして、
何人もの女性と会っていた。
家族がいるのに、それなのに
平気で浮気を繰り返していた。
あなたは本当に、家族のこと
考えたことがあった?」
カナ
「パパ…どうして?
ひどいよ…
ひどい!!」
娘の声に、タケシの体が震えた。
タケシ
「カ、カナ…違うんだ。
パパは…」
私
「カナに嘘をつくのはやめて」
母
「あなた、家族を
大切にするということが、
どういうことか
分かっていないのね」
タケシは顔を上げ、
おろおろと周りを見回した。
そこにいる全員が、
非難の目で見ていた。
タケシ
「わ、悪かった…
俺が悪かったよ。
もう二度としないから…」
私
「今さら遅いよ。あなたが
してきたことは、
簡単に許されるものじゃない」
義母
「タケシ、あなたは
私たちの信頼も裏切ったのよ」
義父
「タケシ、お前…家族のこと、
なんだと思ってるんだ」
タケシは肩を落とし、完全に
打ちのめされた様子だった。
私
「タケシ、これが
私からの最後の言葉。
あなたのした事は絶対に許さない。
でも、私たちは
あなたより幸せになる。
あなたのような人間に
振り回される生活は
もうこれ以上したくない!」
カナ
「パパ、ばいばい」
娘の言葉に、タケシは
涙を流し始めた。
タケシ
「ご、ごめん…
本当にごめん…」
私
「もう遅いわ。」
私たちは立ち上がり、
部屋を出ようとした時、
タケシが叫んだ。
タケシ
「待ってくれ!
もう一度チャンスをくれ!
カナ!
お前のパパでいたいんだよ!」
私は振り返り、
冷たい目でタケシを見た。