モラハラ

「マズい弁当作るな!!」と言う夫に「私は作ってないけど?」と伝えた結果【6】

 

「実は、あのお弁当には

秘密があったの。

カナだけじゃなく、

私の母も手伝ってくれたのよ」

 

タケシ

「…っ?」

 

「そうよ。孫の願いを聞いて、

私も朝早くから手伝ったの。

娘婿のためにね」

 

タケシは言葉を失い、

ただ俯いているだけだった。

 

義母

「タケシ、あなた本当に

家族のことを

考えたことがあるの?」

 

義父

「我々も反省してる。お前を

こんな風に育ててしまって…」

 

タケシ

「だったらなんだよ!

過去のことじゃないか。

今さら…グチグチ

言ってくるんじゃねーよ!!」

 

「今さら?タケシ、

あなた本当に

何も分かってないのね」

 

私は立ち上がり、

タケシの目の前に立った。

 

「あなたが捨てたのは、

ただのお弁当じゃない。

家族の愛情よ。娘の気持ち、

私の母の思いやり

…全部踏みにじったのよ」

 

「でも、それだけじゃない。

あなたの浮気のことも知ってるわ」

 

タケシの顔が驚愕で歪んだ。

 

「結婚前から、ずっと

マッチングアプリで

遊んでたんでしょ?

家族がいるのに、

平気で他の女性と会ってた」

 

義母

「タケシ!本当なの?」

 

タケシ

「ち、違う!そんなの…」

 

「嘘はやめて。証拠もあるのよ」

 

サオリから教えてもらった情報を、

私は全て話した。

タケシの顔が

見る見る蒼白になっていく。

 

義父

「お前は…」

 

義母

「本当に申し訳ありません」

 

義両親が深々と頭を下げた。

その姿を見て、

私の心がさらに痛んだ。

 

「お義父さん、お義母さん、

頭を上げてください。

あなた方は悪くありません。

むしろ、こうして真実を明らかに

する機会を作ってくださって、

感謝しています」

 

カナ「ママ…」

 

娘が私の袖を引っ張った。

その目には涙が溢れていた。

 

カナ

「パパ、どうして…

私たちのこと、嫌いになったの?」

 

タケシ

「ち、違う!パパは

カナ、お前のことは…」

 

「やめて!これ以上

聞きたくない」

 

私はカナを抱きしめ、髪をなでた。