私
「実は、あのお弁当には
秘密があったの。
カナだけじゃなく、
私の母も手伝ってくれたのよ」
タケシ
「…っ?」
母
「そうよ。孫の願いを聞いて、
私も朝早くから手伝ったの。
娘婿のためにね」
タケシは言葉を失い、
ただ俯いているだけだった。
義母
「タケシ、あなた本当に
家族のことを
考えたことがあるの?」
義父
「我々も反省してる。お前を
こんな風に育ててしまって…」
タケシ
「だったらなんだよ!
過去のことじゃないか。
今さら…グチグチ
言ってくるんじゃねーよ!!」
私
「今さら?タケシ、
あなた本当に
何も分かってないのね」
私は立ち上がり、
タケシの目の前に立った。
私
「あなたが捨てたのは、
ただのお弁当じゃない。
家族の愛情よ。娘の気持ち、
私の母の思いやり
…全部踏みにじったのよ」
私
「でも、それだけじゃない。
あなたの浮気のことも知ってるわ」
タケシの顔が驚愕で歪んだ。
私
「結婚前から、ずっと
マッチングアプリで
遊んでたんでしょ?
家族がいるのに、
平気で他の女性と会ってた」
義母
「タケシ!本当なの?」
タケシ
「ち、違う!そんなの…」
私
「嘘はやめて。証拠もあるのよ」
サオリから教えてもらった情報を、
私は全て話した。
タケシの顔が
見る見る蒼白になっていく。
義父
「お前は…」
義母
「本当に申し訳ありません」
義両親が深々と頭を下げた。
その姿を見て、
私の心がさらに痛んだ。
私
「お義父さん、お義母さん、
頭を上げてください。
あなた方は悪くありません。
むしろ、こうして真実を明らかに
する機会を作ってくださって、
感謝しています」
カナ「ママ…」
娘が私の袖を引っ張った。
その目には涙が溢れていた。
カナ
「パパ、どうして…
私たちのこと、嫌いになったの?」
タケシ
「ち、違う!パパは
カナ、お前のことは…」
私
「やめて!これ以上
聞きたくない」
私はカナを抱きしめ、髪をなでた。