モラハラ

「マズい弁当作るな!!」と言う夫に「私は作ってないけど?」と伝えた結果【5】

 

「大丈夫よ、カナ。

ママが守ってあげるから」

 

「そうよ。

おばあちゃんもいるからね」

 

そんな会話をしているうちに、

玄関のドアが開く音がした。

タケシが帰ってきたのだ。

 

タケシ

「ただいま…って、

なんだこれ?」

 

居間に入ってきたタケシは、

私たちを見て驚いた様子だった。

 

タケシ

「トウ子?カナ?

なんでお前らがここに…」

 

義母

「タケシ、座りなさい。

話があるのよ」

 

タケシは渋々座ったが、

その表情には

不機嫌さが滲んでいた。

 

タケシ

「なんだよ、急に。

俺は疲れてるんだ。

早く終わらせてくれよ…

めんどくせぇ」

 

私は深呼吸をして、話し始めた。

 

「タケシ、あなたが捨てた

お弁当のこと、覚えてる?」

 

タケシ

「ああw

あのまずいやつかww

それがどうした?ww」

 

「あのお弁当ね、

私が作ったんじゃないの」

 

タケシ

「は?じゃあ誰が…」

 

カナ

「私が作ったの、パパ」

 

タケシの目が丸くなった。

娘の言葉に、

彼は言葉を失ったようだった。

 

「そうよ。あの日、私が

少し体調を崩していたから、

カナが一生懸命作ってくれたの。

 

あなたのために…ね。」

 

タケシの顔が青ざめていく。

娘が一生懸命作ったお弁当を

「まずい」と言って捨てたことを、

今さらながら

後悔しているようだった。

 

タケシ

「ちょっと待て…え?

そ、そんな…カナ、お前が…」

 

カナ

「うん。パパに

喜んでもらいたくて、

朝早く起きて作ったの。でも…」

 

カナの目に涙が浮かんでいるのを

見て、私の中の怒りが

再び燃え上がった。

 

「あなたはカナの気持ちを

踏みにじったのよ。

カナの気持ち考えたこと、

一度もなかったんでしょ?」

 

タケシ

「そ、そんなことない!

俺だって…」

 

「あなたは黙ってなさい。

まだ話は終わっていないわ」

 

母の厳しい声に、

タケシは口をつぐんだ。