サオリ
「トウ子、本当にごめん…」
私
「いいの、サオリ。
むしろ、教えてくれてありがとう。
これで私も、完全に前を向けるわ」
その日から、私の中で
何かが変わった。
タケシのことは忘れて、
娘と二人で幸せになる。
そう誓った。
でも、心の奥底では、
まだモヤモヤした気持ちがあった。
タケシへの怒り、
裏切られた悔しさ。
それを晴らさないと、本当の意味で
前に進めない気がした。
そんな時、義母から連絡があった。
義母
「トウ子さん、うちの息子の
ことで相談があるんだけど…」
私
「えっ?はい…何でしょうか?」
義母
「実は、タケシが実家に
戻ってくるらしいの。
でも、私たち、あの子の
行動が許せなくて…」
その瞬間、私の中で
アイデアが閃いた。
タケシに、自分がしてきたことを
思い知らせる絶好の機会。
私
「お義母さん、実は
私にも考えがあるんです…」
こうして、私たちは
計画を練り始めた。
私は義母と綿密に
打ち合わせをしていた。
タケシに真実を突きつける計画は、
着々と進行していた。
その日、私は娘のカナと
母を連れて、タケシの実家に
向かった。
義母が、私たちを
暖かく迎えてくれた。
義母「トウ子さん、
よく来てくれたわ。カナちゃんも、
母さんも」
私
「お世話になります、
お義母さん」
カナ
「おばあちゃん、こんにちは」
母
「お邪魔します」
家に入ると、義父も
出迎えてくれた。
彼の顔には、申し訳なさそうな
表情が浮かんでいた。
義父
「トウ子さん、本当に
申し訳ない。うちの息子が…」
私
「いいえ、お義父さん。むしろ、
こんな機会を
作ってくださって感謝しています」
義両親は、タケシの行動を
本当に恥じているようだった。
彼らの誠実な態度に、
私は少し心が和らいだ。
私たちは居間に座り、タケシが
来るのを待った。緊張感が漂う中、
カナが小さな声で話しかけてきた。
カナ
「ママ、
パパに会うの怖いよ…」