母の言葉に、涙が溢れた。
そうだ、私は一人じゃない。
家族がいる。
そう思えただけで、
少し勇気が湧いてきた。
次に、義両親に連絡した。
タケシの両親は、意外にも
私の味方をしてくれた。
義母
「トウ子さん、本当に
申し訳ない。うちの息子が…」
私
「いいえ、お義母さん。むしろ、
私の方こそ申し訳ありません」
義母
「そんな…トウ子さんは
何も悪くないわ。
タケシのやったことは
本当に許せない」
義父
「息子の行いには
我々も責任がある。何か力に
なれることがあれば言ってくれ」
義両親の言葉に、私は安堵した。
少なくとも、彼らは
私の味方でいてくれる。
それだけでも、
大きな支えになった。
離婚の手続きを進めながら、
私は在宅ワークの仕事を
探し始めた。
子育てをしながらでも働ける仕事を
見つけるのは大変だったけど、
諦めずに探し続けた。
そして、ようやく見つけたのが、
ウェブライターの仕事。
最初は慣れなくて大変だったけど、
少しずつスキルを磨いていった。
そんな中、タケシからは
一向に連絡がない。
離婚届にサインをしたきり、
まるで最初から
存在しなかったかのように。
でも、それはそれで良かった。
彼との思い出は、
もう過去のものだ。
ある日、友人の
サオリから連絡があった。
サオリ
「トウ子、大丈夫?
離婚のこと、聞いたけど…」
私
「うん、大丈夫。
むしろ、すっきりしたかな(笑)」
サオリ
「そう…でも、
ひどい話だよね。タケシのやつ、
昔から変わってないんだ」
私
「え?どういうこと?」
サオリ
「実は…タケシ、昔から
マッチングアプリで遊んでたんだ。
結婚前からずっと…」
その言葉を聞いて、
私は愕然とした。
結婚前から?ということは、
私との結婚生活の間中…?
私
「サオリ、それ本当?」
サオリ
「うん…ごめん、もっと早く
言えばよかった。
でも、タケシに脅されてて…」
私
「脅された?」
サオリ
「うん…昔、私もタケシと
付き合ってたことがあって。
それをバラすって脅されて…
黙っててごめんね。」
私は言葉を失った。
タケシの本性が、ここにきて
明らかになった。
結婚前から、ずっと
私を騙し続けていたんだ。
怒りが込み上げてきた。
でも、同時に解放感も感じた。
これで、完全に彼との縁を切れる。
もう後ろ髪を引かれることはない。