モラハラ

「マズい弁当作るな!!」と言う夫に「私は作ってないけど?」と伝えた結果【2】

 

タケシ

「そうだ。もう俺は

我慢の限界なんだよ。お前みたいな

女とは一緒にいられない」

 

私は呆然としたまま、

その書類を見つめていた。

突然のことで、

頭が真っ白になった。

 

タケシは怒鳴り散らしながら

家を出て行った。

私は茫然自失のまま、

台所に立ちすくんでいた。

そのとき、カナが

学校に行く準備をして出てきた。

 

カナ

「ママ、大丈夫?

パパ、怒ってたけど…」

 

「あ、カナ…大丈夫よ。

心配しないで」

 

カナ

「うん…でも、パパ、お弁当の

こと言ってたよね。昨日のお弁当、

私が作ったのに…」

 

その言葉で、私は我に返った。

そうだ。昨日のお弁当は、

カナが作ったんだ。

私が少し体調を崩していたので

カナが

「パパのお弁当、私が作る!」

と張り切って作ってくれたんだ。

 

「そうだったね…ごめんね、カナ。

パパに言わなきゃ」

 

カナ

「ううん、いいの。

パパ怒ってたから…」

 

「大丈夫よ。

ママがちゃんと説明するから」

 

娘を送り出してから、

私は呆然と座り込んでしまった。

 

どうしてこんなことに

なったんだろう。

タケシは、家族のことを

全く理解していない。

 

娘が一生懸命作った弁当を

「まずい」と言って捨てる。

 

そんな夫と、もう

一緒にいられない。

そう思った瞬間、

不思議と心が軽くなった。

 

離婚の準備を始めながら、これから

どうやって生きていくか考えた。

専業主婦だった私には、

すぐに仕事を見つけるのは難しい。

娘のためにも、自分のためにも、

頑張らなきゃいけない。

 

まず、母に相談した。

 

「私…離婚することにしたの」

 

「えっ?どうしたの?急に…」

 

「タケシがね…もう限界なの。

娘のことも考えてくれないし、

お金の使い方も…」

 

「そう…大変だったのね。

でも、大丈夫よ。あなたには

私たちがいるから」