私、トウ子。36歳の元専業主婦。
今は在宅ワーカーとして
働いている。
ずっと夢見ていた幸せな家庭生活。
でも、現実はそんな甘くなかった。
結婚したのは10年前。
当時はタケシのことを
愛していたし、これから二人で
素敵な人生を歩んでいけると
信じていた。
でも、そんな希望はあっという間に
打ち砕かれてしまった。
タケシは会社員で、一見
まじめそうに見えたけど、
実は見栄っ張りで
浪費癖がある人だった。
結婚当初から、彼の自分勝手な
行動には悩まされていた。
でも、そんな中でも幸せはあった。
娘のカナが生まれたときは、
本当に嬉しかった。
可愛くて賢くて、料理が大好きな
女の子に育ってくれて。
今じゃ小学4年生。
あの子がいたから、私は
ずっと頑張ってこれたんだと思う。
でも、タケシは変わらなかった。
むしろ、娘が生まれてから
ますます家庭を顧みなくなった。
私は必死に節約して家計を
守ろうとしたけど、タケシは
相変わらず外食三昧。
趣味にお金をじゃぶじゃぶ
使い続けていた。
ある初夏の日のこと。
いつものように朝食を作っている
私のところに、タケシが
怒鳴り込んできた。
タケシ
「おい、トウ子!
昨日のお弁当、なんだあれ?」
私
「え?どうしたの?」
タケシ
「まずかったんだよ!
会社の連中の前で
恥をかいたじゃないか!」
私
「そんな…ごめんなさい。
でも…」
タケシ
「いいから黙れよ!お前の
せいで俺の評判が落ちたんだぞ!」
私
「でも、昨日のお弁当は…」
言い訳しようとした私の言葉を
遮るように、タケシは書類を
投げつけてきた。
タケシ
「もういい!
これでお前とはおしまいだ!」
私
「え…これって…離婚届?」