なんで、
こんな目に遭うのだろう。
というか、なんで私は
言いなりに
なっているんだろう。
玄関を水拭きしながら
考え込んだ。
最初は、シンが
好きだったから、
その家族にも
気に入られたかった。
多少の無理難題を
言われても、
頑張れば
わかってもらえると思った。
だんだん、その見込みが
立たないと理解し始めた時、
嫌なものは嫌だと
はっきり言えばよかった。
それを、波風
立てたくないなんて、
日和見したばっかりに、
こんなはめになっている。
シンにも期待していた。
俺の妻をいじめるな、
と言ってほしかった。
でも、彼は言わないだろう。
今までもこれからも。
だったら、こんな事に
いつまでも付き合う必要は
ないのでは?
つきつめていたら、
目が覚める思いだった。
結婚してまだ3ヶ月だから、
様子見の期間だから、
そんな事ばかり
考えていた気がする。
そうじゃなかった。
下に出れば出るほど、
調子に乗る
種類の人間もいるのだ。
今日を最後に、
もう言いなりはやめよう。
何なら、夫と別れるのも
有りだ。
なってない、やり直し、
とダメ出しの
嵐を乗り越えて、夜9時。
ようやく掃除も終わらせた。
私のご飯は、予想通り、
何もない。
それも、どうでもいいと
思えるくらい、
疲れ果てていた。
今日はもう休ませて
欲しかった。