義実家で『庭で寝なさい』と言われたので望みどおりにした結果…すべてを失った二人 【7話】

 

マナミ

「あのさあ?

シンって、私の

お兄ちゃんなんだよね。

あんた分かってる?」

 

義母は呼び捨て、

義妹はあんた呼ばわり。

二人とも、

ろくなものじゃない。

いらいらしながら、

何を言いたいのか、

聞いていると

 

マナミ

「妹の前で、

兄貴を呼び捨てに

するなんてさぁ。

私が嫌な気分になるかも、

とか思わないわけ?」

 

とんでもブーメラン発言を

繰り出してきた。

その言葉、

そっくりそのまま返したい。

義理ってだけの間柄に、

呼び捨てられたり

あんたと呼ばれたり。

私が嫌な気分になるかも、

とは思わないのだろうか?

ついでに、頬や手を

ひっぱたかれる始末。

嫌な気分どころじゃないわ。

二人とも、義父がいない

場所では、本当に

敵意も悪意も遠慮

なくむき出しにしてくる。

 

マナミ

「あー、やだやだ。

なんでお兄ちゃん、

こんなのと結婚したんだろ」

 

義母

「ほんとよ。

この学歴女に

だまされたとしか

思えないわ!!」

 

マナミ

「あんた、顔だけは

まぁまぁだもんね?

他はてんでダメだけど。

お兄ちゃん、

女は顔じゃないって、

どうして分からないかなぁ」

 

義母のキンキン早口とは

対照的に、マナミは

低め声でゆっくりした

言い方をする。

それだけに、皮肉や嫌味、

露骨な悪口のたぐいは、

しっかり耳に入る分

ダメージが大きい。