義実家で『庭で寝なさい』と言われたので望みどおりにした結果…すべてを失った二人 【1話】

 

私はトウ子。

結婚3ケ月のOLで24歳。

夫のシンは3歳年上で、

会社の先輩。

交際時点では、優しくて

大らか、穏やかな

いい彼氏だったのだけど…

私は今、とっても

がっかりしている。

 

義母

「トウ子!

ぼけっとしてるんじゃないよ!!!

あんた、何しに家に来たの。

まさか、もてなされるつもり

なんて、厚かましい事

考えてないでしょうね?」

 

キンキン声を放っているのは

義母だ。

シンは、この母親および

2歳年下の妹に、

びっくりするほど

頭が上がらない。

結婚式が終わったと同時に、

優しい姑ぶりっこも

終了したらしい義母を、

全くたしなめられないのだ。

シンの目の前で、

いろいろやられた。

そして今まさに、

やられている最中だ。

結婚後は土日のどちらか、

または両方、必ず義実家へ

顔を出せとの厳命が下った。

シンは無抵抗で、

義母の要求を丸のみ。

その結果がこれだ。

 

義母

「さっさとタンスを

どかしな!!」

 

今日の用事は、

家具の配置換えとか

いうとびきりの重労働だ。

衣服がぱんぱんに

詰まっている、

和室の和ダンスを

一人で動かせだそうで…

言われてぼう然と

なってたら、

あのキンキン声が

浴びせられたのだ。

せめて、リビングで

テレビ見ているシンを

呼びたい。

でも無理だろうな…