それじゃあ、
…さようなら。
なんてワケにはいかない!
翌日は、私の話を聞き、
証拠画像を手に入れた
私の父、そして
親友エミの父、
そのほかに数人。
ユイトの実家である
「お寺」
の有力檀家衆が、
一堂に会した。
ユイトの特殊事情…
それは、
お寺の後継ぎという事。
学校へ行き、僧侶になった。
髪は剃らなくても
いい宗派だ。
だから、若者らしく
おしゃれもできる。
でも、倫理については
とても厳しい。
ただでさえ、代々続く
古い檀家から、娘を
嫁に貰ったという立場だ。
嫁を差し置いて、
比較的新しい檀家の娘と、
人目を気にせず
いちゃつくなんて、
絶対に許される事じゃない。
はーちゃんと呼ばれていた
若い女性は、
最近になって檀家に
なった家の子だ。
ハルカというらしい。
昨夜は、証拠写真を見た
両親が、激しくブチ切れた。
父は急いで寺に電話し、
母は写真を見つめて
その子の身元を
一発で見抜いた。