そんな、とても中途半端な
雰囲気を、私は本当は
良くないと思っている。
目を逸らしたかっただけ。
やっと決心がついた。
エミに説得されて、
私は少しだけ探りを
入れる事にした。
私とユイトは別業種の
会社に勤めている。
オフィスも別のビル。
ユイトは、少し特殊な
事情があるため、
時間の融通が利いて、
いろいろ便宜を
図ってくれる
会社じゃなければ、
やっていけない人だ。
妻の私も同じく、
気を遣ってもらっている。
だからこそ、特権を
振りかざすかのような態度は
慎むべきだと思っていて、
普段はめったに
立ち入らない。
でも、どうしても
気になるので、
お昼休憩の時に、
彼の勤務状況を
こっそり教えて
もらうつもりだった。
さっそく、目を疑う状況に
出くわした。
夫の勤め先は、
いわゆる商業ビルで、
それも立地が良く
立派な造りだ。
総合エントランスには、
受付が設置されている。
詳しくは分からないけれど、
通常は女性二名、
最低でも一名が
必ず席に座っている。
さすがに企業の顔だ。
若くて美しい、
物腰も品が良く、
言葉遣いは完璧。
受付を専門にしている、
またはそういう教育を
されているのだと分かる。
そこまでは良かったが、
問題は……