エミは、言葉こそ
厳しかったが、
目はとても優しかった。
エミ
「そう思いたいよね。
分かるよ。
ユイトとは長いものね。
そこらの夫婦より、
よっぽど関わりが深いし？
ユイトの特殊な事情を
分かってあげられるのは
やっぱキヌ子だし？」
私
「特殊な事情かぁ…」
私は、幼馴染が
言いたい事を理解して、
笑いながらつぶやいた。
私
「あんまり意識した事は
無いんだけど。
よく考えたら、
うちの夫って
難しい立場よね」
エミ
「難しいっていうか、
面倒？
私は無理だなー。
いくらユイトが
好きだとしても、
あれはきつい。
あいつ、そこのところ、
分かってなくない？」
私の事もユイトの事も、
よく知っているエミは、
ほんとうにと
ことん遠慮が無い。
でも、これだけずばずば
指摘されているうちに、
だんだんと気持ちが
固まって来たのも事実だ。
夫の態度は、
ただ浮ついているだけ？
それとも、何かがあるの？
私の予想としては、
実のところは、
超える寸前の
グレーゾーンだと
感じている。
女の勘というか。
長年の付き合いから、
違和感を
察知しているというか…
クロとは断定できない、
でもシロとも言い切れない。
