エミは、私のそういう
みっともないところも、
ユイトが私の好意を
良い事に、妻をとても
雑に扱っているところも、
全部お見通しに違いない。
エミ
「このままじゃ、
キヌ子は奥さん
じゃなくて、
お母さんに
なっちゃうよ?」
私
「でも、どうしたら
いいのか、
よくわからないの。
何となく、
浮ついてるなぁとは
思うんだけど」
エミ
「この際、
はっきりさせたら?」
過激な事を言うものだ。
私は驚き、
そこまでしなくても、
と思った。
ユイトが軽く浮気をしたり、
不倫まで行かなくても
他の女性に気を取られたり、
そう言う事は
あり得ると考えている。
でも、しつこく追及して、
彼を怒らせてしまったらと
思うと、踏み出せない。
放っておけば、
そのうち女性に飽きて、
家庭に戻ってきて
くれるかも。
淡い期待がある。
私
「無理にはっきり
させなくても、
ユイトはきっ と……」
エミ
「きっと?ユイトを、
ほんとに信じられる?」
幼馴染ならではの、
遠慮が無い、
厳しい問いかけに、
私は言葉を
詰まらせてしまった。
何も言えなくなってしまい、
コーヒーカップを
握り締める。