聞いたって、まともに
答えてくれる保証は無いし、
もっと嫌がられる
恐れすらある。
ヤブヘビになるのが怖くて、
私は、ユイトの態度が
変わってきているのを、
ただ黙って
見ているしかなかった。
こんな私の、くよくよ
悩む姿を、幼馴染は
かなりイライラしながら
見ているらしい。
ユイトをよく知っている、
親友エミは
エミ
「キヌ子!!
ちょっとユイトを
調子に乗せすぎてない?
あいつ、絶対に
勘違いしてるよ。
キヌ子には
何やってもいいとか、
俺は許してもらえるとか」
私
「うーん…
そうかもしれないけど」
エミ
「けど、じゃなくてさ。
そういうの、良くないって」
エミは本気で
心配してくれている。
彼女が何を言いたいのかは、
私も理解している。
少なくとも、
理解できているつもりだ。
私は、ユイトを
甘やかしすぎて
いるのだろう。
惚れた方が負け、
なんて言うけれど、
確かにそうだ。
嫌われたくない、
愛され続けたい、
その一心で、必要以上に
一所懸命に
なってしまうのだと思う。