浮気

カバンを投げつけ壁を殴りながら『さっさと出ていけ!』と言う夫の言う通りにした結果…【4話】

 

聞いたって、まともに

答えてくれる保証は無いし、

もっと嫌がられる

恐れすらある。

ヤブヘビになるのが怖くて、

私は、ユイトの態度が

変わってきているのを、

ただ黙って

見ているしかなかった。

こんな私の、くよくよ

悩む姿を、幼馴染は

かなりイライラしながら

見ているらしい。

ユイトをよく知っている、

親友エミは

 

エミ

「キヌ子!!

ちょっとユイトを

調子に乗せすぎてない?

あいつ、絶対に

勘違いしてるよ。

キヌ子には

何やってもいいとか、

俺は許してもらえるとか」

 

「うーん…

そうかもしれないけど」

 

エミ

「けど、じゃなくてさ。

そういうの、良くないって」

 

エミは本気で

心配してくれている。

彼女が何を言いたいのかは、

私も理解している。

少なくとも、

理解できているつもりだ。

私は、ユイトを

甘やかしすぎて

いるのだろう。

惚れた方が負け、

なんて言うけれど、

確かにそうだ。

嫌われたくない、

愛され続けたい、

その一心で、必要以上に

一所懸命に

なってしまうのだと思う。