え?という表情で
クルミを見つめる夫。
クルミは憎悪の籠った目で
夫を睨みつけ、静かに1つ頷いた。
クルミ
「ママの言うとおりだよ。
こうやって目に物見せてやろうって
言いだしたのも私」
夫
「う、嘘だろう?」
クルミ
「嘘なんかじゃない!」
必死に涙を堪えようとするクルミ。
私
「あなた、この数カ月、
クルミがどんな思いを抱えてきたか
なんて考えたこともないでしょ?
苦しんで悩んでいた
娘のすぐそばで、あなたは
よその女に現を抜かしてたの。
そんな父親、娘に必要かしら?」
妻と娘に矢継ぎ早に責められ、
呆然とするしかない夫。
それでも一縷の望みに
書けたらしい。
玉砕したけど。
夫
「で、でも!クルミには
パパが必要だよな?
パパなしじゃ
大学の学費は払えないぞ?」
クルミ
「パパ!?汚らわしい!
私にパパなんてもういない!
浮気が好きなキモいオッサンは
父親でもなんでもねえ!
お前なんて
私の視界から消えちまえ!
今すぐ!!」
普段は女の子らしい語尾で
話すクルミ。
それがこんな乱暴な物言いを
するなんて、余程のことだ。
私も驚いたが、それ以上に
夫にはグッサリと刺さったようだ。