浮気

娘の家庭教師と夫の秘密…【13】

 

クルミとともにやって来たのは

セイラの上司と夫の上司だ。

 

セイラの上司は派遣されている

家庭教師が生徒の親とねんごろな

関係になったと伝えると

平謝りで血相を変えて飛んで来た。

 

夫の上司は私も会社勤めを

していた頃に面識があり、

結婚式で

仲人も引き受けてくださった方。

 

要は2人が全く頭のあがらない人を

チョイスして呼び出したのだ。

 

これが私が納戸に

隠れている際に手配した準備。

心理的なダメージは十分に

与えられたと、私は表情には

出さずにほくそ笑んだ。

 

セイラの上司は私と

クルミに対して、

土下座せんばかりに頭を下げた。

 

セイラの上司

「この度は

わが社の者がとんでもないことを

仕出かしまして、

お詫びのしようもございません!

本当に申し訳ございませんでした」

 

「いえ、上司さんが

悪いわけではありませんし」

 

セイラの上司

「いえ、派遣する

家庭教師の監督ならびに指導の

不行き届きは上司である

私の責任でもあります。

本当に申し訳ありません」

 

そしてセイラに向き直り、

 

セイラの上司

「君には失望した。

解雇を覚悟してくれ」

 

セイラ

「なぜです!?これって

プライベートなことですよね?

なんで会社が口を

挟んでくるんですか!?

私、実績だってちゃんと

残してるじゃないですか!」

 

セイラの上司

「黙れ!家庭教師が

教え子の親と浮気をして、

その子の家庭を壊してどうする!?

 

職業倫理にもとるだろうが!!」

 

物凄い剣幕の上司にセイラは

黙り込むしかなかった。

一方、夫も

上司に懇々と詰められている。