浮気

娘の家庭教師と夫の秘密…【11】

 

最初に色目を使ったのは

セイラの方だった。

 

夫は私に専業主婦をさせても

子供を大学に

進学させることができるくらいには

稼いでいたからね。

 

「呆れた…!娘を口実に

浮気相手を引き入れて、

それで娘の気持ちを傷つけて!

鬼畜の所業も

いいところじゃないの!」

 

「クルミを傷つけるつもりは

本当になかったんだ!

ただ魔がさしたというか。

ごめん…」

 

「浮気なんてバレたら

私もクルミも

傷つくに決まってるでしょ!?

 

魔が差した、傷つけるつもりは

なかったなんて、

信じられるわけないじゃない!」

 

「うぅ…。本当に悪かった」

 

涙目の夫はそれなりに

罪悪感があるようだった。

 

一方、セイラの方は

そんな気配は微塵も見せていない。

開き直ったのか、どこか

余裕の表情で一服まで始める始末。

 

ていうか、うちには

誰も喫煙者はいないんだから

勝手にタバコなんて吸うな!

 

セイラ

「こっちが下手に出れば

調子こいちゃって。

奥さん、被害者面してますけど、

浮気をされる方が

悪いって考えもあるんですよ~」

 

フーッと煙を吐き出した

セイラは続けた。