セイラ
「奥さん、
まずは冷静に話を…」
セイラの言葉に、さらに
怒りが湧き上がる。
この女、まだ何か
言い訳をしようとしているのか。
私
「話は娘から聞いております。
娘が冷静に話してくれましたから。
この場面も全て
録画・録音しているので
言い逃れなんて考えないように」
冷たく告げると、
セイラは崩れ落ちた。
その姿を見て、少しだけ
満足感を覚える。
でも、同時に悲しみも
押し寄せてくる。
こんなことになるなんて、
誰が想像しただろうか。
夫は、まだ何か言おうと
しているようだ。
でも、私はもう聞く気はない。
これからどうなるのか、
まだ想像もつかない。
でも、一つだけ確かなことがある。
もう、以前のような生活には
戻れないということだ。
マッパの2人を詰問する私。
驚いたことに関係は
もう3年にも及ぶというのだ。
元々は夫の会社に派遣で来た
臨時職員だったという。
その頃は既に
私は退職していたから、
セイラとの面識は私にはなかった。
その後、セイラが転職し、
正社員として家庭教師に
なったということだった。
娘の成績が落ちてきたと
話題になったのをこれ幸いにと
家庭教師を依頼する建前で、
夫はセイラを我が家に
堂々と引き入れたのだという。