「さあ、行くわよ」と
心の中でつぶやき、
勢いよくドアを開ける。
私
「呼ばれず飛び出て
ジャジャジャジャーン!」
今思えばどういうセンスなんだと
思うようなセリフを吐きながら、
寝室のドアをバーン!とオープン。
私の声が部屋中に響き渡る。
その瞬間、時間が
止まったかのように感じた。
夫
「うわあああああ!?」
セイラ
「きゃああああああ!?」
マッパで重なり合いながら
悲鳴をあげる夫とセイラ。
その光景は、まるで滑稽な
喜劇のワンシーンのようだった。
でも、私の心には怒りと
悲しみが渦巻いている。
夫はそのままベッドから
飛び降りて直立不動。
釣られたのかセイラも直立不動。
二人とも、まるで子供が
悪いことをして見つかった時の
ような表情をしている。
ちょ、お前ら、隠すべきものは
隠しなさいってw
心の中でツッコミを入れつつも、
表情は厳しく保つ。
夫
「ち、違うんだ、これは!」
セイラ
「そうです、誤解です!」
二人の慌てふためいた様子を見て、
怒りが込み上げてくる。
何年も騙され続けてきたことへの
憤りが、胸の奥で燃え上がる。
私
「マッパの男女が部屋に
籠って体を重ね合ってる…
どこをどう誤解するわけ?
馬鹿じゃないの?」
声が少し震えている。
怒りのせいか、
それとも悲しみのせいか、
自分でもわからない。