浮気

娘の家庭教師と夫の秘密…【6】

 

セイラから授業の進捗を

聞き出すのならわからなくもない。

けれど、夫は雑談をして、

時にはセイラと軽いスキンシップを

してから部屋を出ていくのだそう。

 

それに、セイラの授業がない日、

友達と行事の準備で遅くに

返ってくると夫とセイラが

2人でコソコソと会っている場面にも

出くわしたことがあるという。

 

私が両親・義両親の様子を

伺いに不在にしている時は、

夫が授業後のセイラを駅まで

送ると言ってそのまま深夜まで

帰ってこなかったこともある、と。

 

高校3年生ともなれば、この状態が

どういうことなのか

察するくらいはできる。

なぜ私に教えてくれなかったのか、

と思わず問い質してしまった。

すると、恐ろしいことに、

 

セイラ「誰のおかげで成績が

盛り返せたと思ってるの?

ここで私が辞めたら、

クルミちゃんは

成績がまたガタ落ちだね。

そうしたらお母さん、

悲しむよ~。

お父さんと私のことを知っても、

お母さんは悲しむだろうねぇ。

もし、離婚になんてなったら、

大学受験どころじゃなくなるけど、

それでもいいのぉ~?」

 

と、卑怯な言い方で娘に

口止めをしたというのだ。

それでクルミはこの数カ月、1人で

悩みを抱えて苦しんでいたのだ。

 

私は気づけなかったことを

娘に謝り、娘もずっと

黙っていたことを私に謝罪。

2人して抱き合って泣いた。