セイラから授業の進捗を
聞き出すのならわからなくもない。
けれど、夫は雑談をして、
時にはセイラと軽いスキンシップを
してから部屋を出ていくのだそう。
それに、セイラの授業がない日、
友達と行事の準備で遅くに
返ってくると夫とセイラが
2人でコソコソと会っている場面にも
出くわしたことがあるという。
私が両親・義両親の様子を
伺いに不在にしている時は、
夫が授業後のセイラを駅まで
送ると言ってそのまま深夜まで
帰ってこなかったこともある、と。
高校3年生ともなれば、この状態が
どういうことなのか
察するくらいはできる。
なぜ私に教えてくれなかったのか、
と思わず問い質してしまった。
すると、恐ろしいことに、
セイラ「誰のおかげで成績が
盛り返せたと思ってるの?
ここで私が辞めたら、
クルミちゃんは
成績がまたガタ落ちだね。
そうしたらお母さん、
悲しむよ~。
お父さんと私のことを知っても、
お母さんは悲しむだろうねぇ。
もし、離婚になんてなったら、
大学受験どころじゃなくなるけど、
それでもいいのぉ~?」
と、卑怯な言い方で娘に
口止めをしたというのだ。
それでクルミはこの数カ月、1人で
悩みを抱えて苦しんでいたのだ。
私は気づけなかったことを
娘に謝り、娘もずっと
黙っていたことを私に謝罪。
2人して抱き合って泣いた。