浮気

娘の家庭教師と夫の秘密…【4】

 

それなのに、この頃から

娘の様子がおかしくなりだした。

 

他の模試や期末テストでも

好成績を収め続けているのに、

どんどんと元気がなくなっていく。

 

時期が時期だけに

早めの夏バテかとも疑った。

 

食欲がなく、目からも

活力が消えた。

 

自分の娘に

こんなことを言うのは

不適切だと思うけど、

「死んだ魚の目」というのが

ぴったりだった。

 

目に見えて食欲も落ちている。

 

「クルミ。最近食欲が

ないみたいだけど、

どこか具合が悪いの?

それとも何か心配事でもあるの?」

 

クルミ

「え?ううん。

そんなことないよ、ママ。大丈夫。

少し疲れてるだけだよ」

 

毎回、そんな感じで

はぐらかされてしまう。

 

難しい時期、難しい年齢と

いうこともあって、

問い詰めすぎても良くないとあまり

口は出さないようにしていた。

 

けれど、やはり

気になるものは気になる。

夫に相談を持ち掛けてみると、

 

「高校3年生なんて

そんなもんだろ?

受験のストレスか、もしかして

好きな子ができて

ダイエットかもしれない。

 

俺もお前も、身に

覚えくらいあるだろ?

誰しも通る道なんだから、

親がアレコレ煩く口を

挟まないほうがいい」

 

と、脳天気な答え。

 

そんなものかなと

過ごしていたある日。

娘の通う高校から

緊急連絡が入った。

 

まだ1時間目の授業中のはずなのに。