浮気

娘の家庭教師と夫の秘密…【2】

 

娘の学校はマンモス校で、

学年人数も350人程度いる。

だから、全体としては

上位につけてはいるのだけれど、

大きく順位を下げたことに

娘は大きなショックを受けていた。

 

私も夫も、学校の成績で

娘を叱咤することなど、

これまでしてこなかった。

するまでもなく、娘が自分で管理

して結果を出し続けてきたからだ。

 

今回も優しく見守っても良かった。

 

けれど、来年は受験という

プレッシャーに娘が

潰されかけているのは明白。

 

さすがに私は夫に

相談を持ち掛けた。

 

今回も受け流されるか、

適当な返事をされると思っていた。

 

ところが夫は、

 

「だったら家庭教師はどうだ?

会社の同僚の娘さんが、

去年家庭教師に教えてもらって

大学に無事合格したぞ。

 

すごく優秀な先生だって

いうから、今のうちに抑えて

おいた方がいいんじゃないか?」

 

と、意外なことに家庭教師を

娘に付けることを提案してくれた。

 

正直、娘は今まで学習塾に

通ったことがなかったし、

現役生向けの予備校も1年生から

通っていないと進度が不安だった。

 

私自身も家庭教師という選択は

頭にあったけれど塾や

予備校に比べて費用が嵩むので、

専業主婦の身としては

申し出にくかった。

 

こうして夫と私の方針は

あっけなく決まった。

 

娘自身は学校以外で誰かに

勉強を教わるのを嫌がったけれど、

それもほんの一時の話。

 

いざ家庭教師に来てもらうと、

すぐに懐いていた。