親族
「おいおい、
それじゃお前たちが
こんなクソみたいな家族だって
自覚してるようなもんだぞ~。
しっかし、もし本当に
トウ子さんが描いたなら、
トウ子さんは漫画の天才だな~」
と豪快にガハガハと笑いながら、
親族の中年男性が
素晴らしい
アシストをかましてくれた。
義母はこれ以上何も
言うんじゃない!
という視線を私に
投げてきたけれど
私
「ありがとうございます。
これ、私が描いたんです。
内容は全て事実ですよ」
とにこやかに
お礼を述べておいた。
シン…と静まり返るリビング。
青ざめて口をパクパクさせる
義母に、眉間を押さえる夫。
私が冗談を言っているわけでは
ないと気づく親族一同。
やっべ!いたたまれねぇ!!
と思って勝手に制作秘話を
ペラペラしゃべってしまった。
その慌てぶりが漫画の主人公に
似ていたのかもしれない。
親族
「意地悪姑によく耐えた!
頑張った!アンタの明るい性格は
国宝級だ!」
親族
「主人公もトウ子さんに
似てるけど、梅干し顔の姑は
本当にあなたにソックリよ」
と和気あいあいと私の肩を
持ってくれるようになった。
そのたびに小さくなっていく
義母と夫。
しかし、そこで敗北を
認めないのが義母の義母たる
所以である。
義母
「こんなの、
でっちあげだわ!だって
証拠なんてないじゃないの!」
夫
「そうだそうだ!俺たちを
陥れようとして、卑怯だぞ!」