慌てていたのだろう。
スーツを乱し、息を
切らしながら
飛び込んできたトモヤに
私は思わず
笑ってしまった。
私
「やっぱり
お忘れだったんですね。
きちんと保管してあるので
ご安心ください」
トモヤ
「良かった!
ありがとうございます」
と言っていきなり
私の手を握ってきた。
突然のことで驚いたけど、
もちろん私としても
嫌な気はしなかった。
そしてここから
私たちの仲は急速に
発展していった。
トモヤは商社に
勤めていて世界中を
飛び回っているらしく、
頻繁に空港を
利用している
とのことだった。
そして連絡先を交換し、
何度かデートを
重ねるうちに告白され
お付き合いを
することになったのだ。
トモヤは海外で
働いていたが、最近
日本支社に転勤になり
数年ぶりに日本に
帰ってきたと
いうことだった。