カトウ先輩奥さん
「あなたが
お仲間と飲んで食べて
はしゃいでいる間、
息子君の面倒を
見ていたのは誰かしら?
このくらい
の小さな子でも、ずっと
膝の上に乗せているのって
けっこう大変なんだけど、
知ってた?
やったことがないなら
知らないのも無理ないわよね」
カトウ先輩奥さん
「そうやって
仕事に集中できる環境を
キヌ子さんが
整えてくれているのに、
自分は我関せずだから、
デブだの痩せろだの平気で
言い放てるんでしょうね。
傍から聞いててもウンザリよ」
ウエスギさんだけでなく、
カトウ先輩の奥様からも援護を
もらって、私は感激していた。
先輩の奥様だけではなく、
さっき一緒に歓談していた
女性陣も拳を握って
ガンバレポーズをしていたり、
頷いていたりと、
応援してくれているのが
わかった。
カトウ先輩奥さん
「もし、私が
出産してもきれいなままだと
言うのなら、
それは夫のおかげだわ。
うちの夫、よく子供の相手を
していてくれるもの。
ほら、今だってそう」
奥さんの視線の先では、
カトウ先輩が上の2人の
お子さんに
まとわりつかれながら、
1番下のお子さんに
小さく刻んだ
おかずを食べさせていた。
一見すると、
とても大変そうだが、
先輩はずっと笑顔で
子供たちに接していた。