ウエスギ
「気づいてないのは
お前たちだけじゃないか。
お前ら、そういう感覚が
昭和なんだよ。
本当に平成生まれか?
大事になる前に頭の中身を
アップデートした方がいいぞ」
夫一味にそう言って、
元々歓談していたグループに
戻って行った。
ウエスギさんは仲間から
肩をポンポンと軽く叩かれ、
労われているようだった。
その場にしばし
気まずい沈黙が訪れた。
私が女性グループの元に
戻ろうとすると、
夫
「おい、キヌ子!!
ウエスギが味方したからって
調子に乗るなよ。
カトウ先輩の奥さんみたいに
きちんとした人だって
たくさんいるんだから、
お前が…」
「おい、もうやめろよ」
「あれは
確かにお前が悪いって」
と、周囲が止めるのもきかず、
まだカトウ先輩の奥さんを
引き合いに出して、
私を下げようとする。
その時、
カトウ先輩奥さん
「私のことを
呼んだかしら?」
と奥さんがやってきた。
夫「奥さんからも
言ってやってくださいよw
どうやったら子育てしながら
美貌をキープできるのか、
とか!詳しく!
こいつ、
全く分かってないんっすよw」
カトウ先輩奥さん
「あら、
褒めてくれてありがとう。
でもね…」
先輩の奥さんは1度、笑顔で
夫にお礼を言ってから、
スッと真顔に戻った。