モラハラ

産後の私に心無い言葉で追込む夫【11話】

 

ウエスギ

「冗談は誰でも楽しく

笑えることだ。

誰かを傷つけて、

悲しませる言葉を、

冗談だなんて

軽く済まそうとするな!!」

 

ウエスギさんのど正論に

「う」

と詰まる夫。

 

一方、私は

うっかりときめきそうに

なってしまった。

顔も声も良くて仕事ができて、

優しくも言うべきことは言う

紳士って

この世に存在したのね!

 

ウエスギ

「子供が小さくて手も

かかるのに、夫のためにと

懇親会に出てくれる

素敵な奥様じゃないか。

 

あろうことか、大勢の中で

笑いものに

しようとするだなんて、

信じられない!」

 

自分のために

本気で怒ってくれる人がいる。

それがこんなに

嬉しい事だなんて。

 

でも、夫は空気が読めない…

というか、自己正当化に

忙しかったみたいだった。

 

「辛いだなんて、なあ?

キヌ子。

お前も冗談だって

わかってるだろ?

 

…場をシラケさせるなよ」

 

ここでわざわざ庇ってくれた

ウエスギさんの背後を撃っては

いけない。

 

私も勇気を出した。

 

「冗談か冗談じゃないか。

は、関係ないわ。

私は傷ついたし、

恥ずかしかったし

とても…悲しかった…」

 

涙がこぼれそうになって、

私は俯いてしまった。

場がシラケるのなんか

知ったことか!