厳しい修行を重ねるうちに、
2人の態度に
変化が現れ始めたそうだ。
義母
「最後の日には、
2人とも泣きながら
懺悔してたの。
『二度と過ちは
繰り返しません』って」
義母の話を聞きながら、
私は複雑な思いに駆られた。
私
「そうだったんですね…。
でも、義母さん…
イサムは寺院から帰ってきて
すぐに私に電話を
かけてきたんですけど、まるで
反省していないような
態度だったんです」
義母は一瞬言葉を失い、
深いため息をついた。
義母
「まあ…そうだったの。
ごめんなさね。
あの子は根本的なところが
変わっていないのね。
寺院での経験も一時的なもの
だったのかもしれない…
あの子…
イサムのことは…
私たち親の責任も重大よ。
キヌ子ちゃん…あなたは
これから自分の幸せを
第一に考えなさい」
義母の優しい言葉に、
少し涙ぐんでしまった。
電話を切った後、
胸に温かいものが広がるのを
感じた。
不思議なほど心が
軽くなっていた。
これからは本当に自分の幸せを
第一に考えていいんだ。
その思いが、静かに
心に根付いていくのを感じた。
そして明日は、
ヒトシとの食事。
どんな話が待っているのかは
わからないけど、
私は自分の心に
正直に向き合おうと決めた。
過去は過去として受け入れ、
これからは
自分の幸せを追求していく。
そう心に誓いながら、
私は静かに目を閉じた。
終わり