浮気

帰宅すると夫と夫の親友の奥さんが…とある場所へ連行した結果【22話】

 

その日の夕方、

ヒトシから連絡が入った。

ミキの様子の報告だ。

 

ヒトシ

「俺たちは、約束通り

離婚の準備を進めてる。

ミキは部屋の隅で泣いて

蹲っているばかりだ」

 

ヒトシの声には

疲れが滲んでいた。

 

彼は続けて、ミキが

懺悔のように

語った話を伝えてくれた。

 

私たち4人は

高校の同級生同士。

卒業後、進学と就職で

それぞれ別々の道を歩んだ。

 

私とイサム、ミキとヒトシ、

4人とも結婚後にそれぞれの

理由で地元に戻ってきた。

 

皆が同じ町で再び暮らすことに

なったその頃、

ミキは不安に駆られたという。

 

ヒトシ

「それを

聞いてびっくりしたよ。

 

高校2年の時、実は俺

お前のことを好きだった時期が

あったんだ。

それを知っていたミキは、

また俺の気持ちがお前の方に

向いてしまうんじゃないかって

不安になったんだと」

 

私は驚きを隠せなかった。

 

ヒトシ

「正直、俺も

忘れかけてたよ(笑)

高校時代の一時的な

気持ちだったから。

でも、ミキはそれをずっと

気にしてたみたいなんだ」

 

ヒトシ

「ミキはこう言ったよ。

キヌ子にヒトシを取られて

悔しい思いをするくらいなら、

私が先に

イサムを奪えばいい!って」

 

その歪んだ論理に、

私は言葉を失った。

 

ヒトシも呆れたように続けた。

 

ヒトシ

「俺の性格を考えたら、

絶対にそんなことしないのに」

私も同意見だった。

 

そして、そんなミキの行動に

アッサリ乗ってしまった

イサムにも呆れる。

 

高校時代からの4人の関係が、

今、終わりを

迎えようとしていた…