浮気

帰宅すると夫と夫の親友の奥さんが…とある場所へ連行した結果【21話】

 

私「知り合いなの?」

 

ヒトシは

少し照れくさそうに答えた。

 

ヒトシ

「ああ、

大学時代の後輩なんだ。

ラグビー部で

一緒だった仲間で、

恥を忍んで

今回お願いしたんだよ」

 

ハイエースは静かに山を下り、

街へと向かっていく。

 

これから3泊4日、夫とミキは

過ちと向き合うことになる。

そして私も、この時間を使って

自分の人生について

深く考えることにした。

 

4日後、山寺での修行を

終えた夫から電話が

掛かってきた。

 

彼の声には、どこか

取り繕うような

軽さが感じられた。

 

「キヌ子、

何か誤解があったみたいだね。

俺たち、たった1回しか関係を

持ってないんだ。

ミキがヒトシから女として

見られていないみたいだって

悩んでて、自信を

つけさせるためだったんだ。

いわばビジネス関係だ。

そういう割り切った

間柄なんだよ?」

 

夫は、ヒトシにバレて

正座させられたことを

私が知らないと

思っているしね。

 

私は感情を抑えた

冷静な声で返した。

 

ヘラヘラして言うこと?」

 

「え!?」

 

夫の声が急に上ずる。

私は淡々と続けた。

 

「監視アプリを

入れてるから、あんたたちが

1度や2度の関係じゃないことも

バレバレだよ?

それに、ヒトシにバレて

土下座させられた時、

実は私廊下で見てたんだよね。

 

だから、離婚1択なんだよ」

 

「え?なに?

ね、ちょっと待って!!

え?離婚?ちょっと話を…」

 

私はイサムが

喋り終わるのを待たず、

通話を切った。

 

スマートフォンを置きながら、

深いため息が漏れる。