浮気

帰宅すると夫と夫の親友の奥さんが…とある場所へ連行した結果【13話】

 

ヒトシの話を聞き終えた私は、

複雑な思いに駆られた。

 

怒りと悲しみ。

そして少しばかりの

安堵が入り混じる。

 

これから、どう向き合って

いけばいいのか…

答えはそう簡単には出そうにないな。

 

ヒトシの顔には疲労の色が

濃く刻まれていた。

彼は深く溜息をつきながら、

言葉を紡いだ。

 

ヒトシ

「キヌ子に黙ってて

ごめん。言い訳に聞こえるかも

しれないけど、イサムも

キヌ子も大事な友達で、

俺もどうするのがベストなのか

よくわからなくなってたんだ」

 

その言葉に、ヒトシも

十分に悩み、揺れ動いていた

ことが明らかだった。

 

責められるべきは

夫とミキであって、

ヒトシではない。

 

そう思いながら、私は

伝えるべきことを口にした。

 

「あの2人、

まだ関係を続いてるよ。

この週末、ヒトシが

仕事なのをいいことに、また

会う気でいるみたいだから」

 

私は例の

マッチングアプリの話をした。

 

画面も私のスマートフォンで

撮影してある証拠を見せながら

説明を加えた。

ヒトシは愕然とした表情を

浮かべ、深い溜息をついた。

 

ヒトシ

「俺さ、

もう我慢する必要ないよな?」

 

私は無言で頷いた。

 

その瞬間、私とヒトシは言葉を

交わさずとも

互いの考えを理解した。