浮気

帰宅すると夫と夫の親友の奥さんが…とある場所へ連行した結果【10話】

 

夫とミキの不倫を

なぜ黙認しているのか、

それとも泳がせているのか。

 

どちらにせよ、私に

黙し続けていることに対して

一言言いたかった。

 

勇気を振り絞り、

私はヒトシに

連絡を取ることにした。

 

スマートフォンを手に取り、

ヒトシの名前を探す。

 

連絡を入れ、互いの仕事の

合間を縫って会う

約束を取り付けた。

 

待ち合わせのカフェで

席に着くなり、

私は切り出した。

 

「私、全部知ってるわ」

 

その一言で、

ヒトシの表情が曇った。

彼は俯き、小さな声で呟いた。

 

ヒトシ

「…っごめん」

 

その後、堰を切ったように彼は

話し始めた。

 

ミキの些細な違和感から、

イサムとの不倫を突き止める

までの経緯を語った。

 

監視アプリをミキの

スマートフォンに密かに

インストールし、

イサムとのやり取りを

全て把握していたという。

 

あの衝撃の出来事があった日、

イサムは

ミキにこう持ちかけたそうだ。

 

「なあ、キヌ子の兄貴が

倒れたらしいんだ。

キヌ子は病院に行ったり

兄貴の面倒を見たりで、

しばらく帰ってこないから、

うちで羽を伸ばそうぜww」

 

一方、ミキも

ヒトシに嘘をついていた。

 

ミキ「施設にいる

おじいちゃんが私に

会いたがってるって

連絡があったの。

 

もしかしたら

泊まりになるかもしれない」

 

そう言って、一泊分の荷物を

まとめて家を出たとの事。