見るべきじゃない…のは、
わかってる…でも
葛藤しながらも、私は
夫のスマートフォンに
手を伸ばした。
ロック解除のパスコードを
入力する指が震える。
まず、LINEや
メッセージアプリを確認する。
ミキとのやり取りを探したが、
何も見つからない。
写真フォルダも確認したけど、
怪しいものは一切ない。
そのとき、突然
スマートフォンが震えた。
画面に表示された通知に、
私は目を疑った。
「新しい
マッチングがありました!」
有名なマッチングアプリからの
通知だった。
以前、テレビで
マッチングアプリの特集を
見たときのことを思い出す。
夫
「マッチングアプリ?
気軽にできるっていうけど、
既婚者が
浮気に使いそうだよな~」
夫は鼻で笑いながら、
そう言っていた。
その言葉が、今、皮肉にも
現実となっている。
躊躇しながらも、
私は通知をタップして
アプリを開いた。
画面が切り替わり、
メッセージ一覧が表示される。
最新のメッセージに「M」と
あるのが目に入る。
心臓の鼓動が
早くなるのを感じながら、
そのメッセージをタップする。