浮気

帰宅すると夫と夫の親友の奥さんが…とある場所へ連行した結果【7話】

 

「そ、そうか…大丈夫か?

薬持ってこようか?」

 

「いい。休めば治る」

 

夫を押しのけるようにして、

寝室に向かう。

 

ベッドに横たわり目を閉じる。

どうすればいいの…このまま

知らんぷりを続けるの?

 

それとも…

 

答えは出ない。

 

ただ、これからの日々が、

想像以上に辛いものに

なるだろうことだけは

確かだった。

 

枕に顔を埋めると、

静かに涙が溢れ出した。

 

あの日以来、夫との生活は

氷のように冷たいものに

なっていた。

 

朝の挨拶も、夕食の会話も、

すべてが表面的なものに

変わってしまった。

 

特に夜の営みについては、

様々な言い訳を重ねて

避け続けていた。

 

「今日は頭が痛くて…」

 

「そうか。

ゆっくり休んでくれ」

 

「仕事で疲れてて…」

 

「分かった。

無理しないでね」

 

毎回、夫は理解ある表情を

見せるが、その度に胸が

締め付けられる。

 

いつまでこんな言い訳が

通用するだろうか。

そんな不安が

頭をよぎる夜もあった。

 

ある夜、リビングでテレビを

見ていると、夫が映画を

観ながら寝落ちしてしまった。

 

テーブルの上に、

夫のスマホが

無防備に置かれている。