ケンジの言葉が途切れる度に、
私は静かに耳を傾けた。
驚き、悲しみ、困惑…様々な感情が
入り混じる中、
冷静さを保とうと努めた。
夫
「もう全て終わりにした。
ミカも引っ越して…
本当に申し訳ない」
彼が深々と頭を下げる姿を見て、
私は何と言葉をかけるべきか、
慎重に考えた。
私
「ケンジ…
正直に話してくれてありがとう。
でも、あなたを信じるには
時間がかかるかもしれない…」
ケンジの表情に安堵の色が浮かぶ。
しかし、その奥に何か複雑な思いが
残っているように見えた。
私
「これからは2人で頑張ろう?
お互いに
正直でいることを約束しよ?ね?」
夫
「ああ、約束するよ。絶対に…」
彼を抱きしめながら、私の心は
満足感で満たされていった。
ようやくケンジを取り戻せたという
安堵と、これからの関係を
より強固なものにできるという
期待が胸に広がった。
これは私たちの関係の新たな
始まりだと感じた。
その夜、私たちは
久しぶりに一緒に夕食を取った。
表面上は、夫婦関係は
修復されたように見えた。
しかし、ケンジの様子には
何か違和感があった。
食事の後、キッチンで皿を
洗いながら、私は今後の2人の関係に
ついて考えていた。
ケンジは私のもとに戻った。
計画は成功し、もはや
邪魔する人はいない。
これで私たちの関係は
新たな段階に入る。
ようやく望んでいた
2人だけの世界が始まる。