ミカの精神を追い詰め、
そしてケンジを苦しめる。
2人の関係にヒビを入れ、
最終的には崩壊させる。その光景を
想像するだけで、
私の心は狂おしいほどの
喜びに満ちあふれた。
その夜、私は新たな手紙を書いた。
封筒を手に取り、
中の手紙を最後に確認する。
冷徹な計算のもとに
紡がれた言葉が並んでいた。
「あなたの日々の苦悩が
手に取るように分かります。
ケンジさんとの関係は、
きっと甘美で、でも同時に
苦しいものなのでしょう。
幸せな瞬間の裏で、
常に影のような罪悪感が
つきまとって
いるのではないですか?
彼には家庭があり、
奥さんがいる。その事実から
逃れることはできません。
あなたの存在が、
知らず知らずのうちに、家庭を
壊しているのかもしれない。
そのことを、
どうか忘れないでください。
この関係が続けば、
あなたは永遠に罪の意識に
苛まれ続けることになります。
ケンジさんの家庭は崩壊し、
彼の人生も取り返しのつかないもの
となります。
そして、あなた自身も真の幸せを
掴む機会を失ってしまいます。
今すぐにケンジさんとの関係を
断ち切り、彼の人生から
去ることです。
それが、全ての人にとっての
正しい選択となるはずです。」
手紙を封筒に入れ、
マンションの集合ポストへ向かう。
ミカの部屋番号のポストに、
手紙を投函した。
手紙が投函される音を聞きながら、
胸の奥に小さな達成感が広がった。
この手紙の言葉が、ミカの心に
少しずつ影響を与えていくだろう。
「これで、ミカも考え直すはず。
だって、ケンジは
私の夫なんだから♪」
そう心の中で呟きながら、
その場を後にした。