浮気

私の夫に手を出すな【19】

 

ミカの震える声が聞こえてくる。

 

ミカ「もう怖くて…毎日が地獄。

いつも…どこでも

誰かに見られている気がして…」

 

彼女の声には

明らかな恐怖が滲んでいた。

 

肩を震わせ、時折辺りを

警戒するように見回すミカ。

 

その姿を見て、私の中で

歓喜が湧き上がる。

 

「大丈夫だよ。

君には俺がついてるんだから」

 

夫の声は優しく、

しかし緊張が隠せていない。

 

ミカの肩に手を置くケンジ。

 

その仕草に、

私の胸が軋むのを感じた。

 

ミカ

「ありがとう。でも…

警察に相談しようと思う。

もう限界…本当に限界なの…」

 

「大丈夫だって!落ち着け!

俺が何とかするから。

警察は最後の手段にしよう」

 

焦りを隠せないケンジの表情。

額に浮かぶ汗が、

夕陽に照らされて光る。

 

「警察に行くのは…

色々と面倒なことになるかも

しれないんだ。

私生活のことまで

詳しく聞かれたりして…」

 

ケンジは言葉を選びながら、

慎重に続けた。

 

「それに、警察沙汰になれば、

俺たちの関係も明るみに

出るかもしれない。

会社でも噂になったら…」

 

ミカ

「でも…このまま

放っておいたら、

もっと危険かもしれない…

どうすればいいの?」

 

「俺が何とかするから!

だから、もう少し様子を見よう」

 

ミカ

「わかった…

でも、本当に大丈夫なの?」

 

「心配するな。

誰にも知られないようにする。

トウ子にだって、

絶対に気づかれない。約束するよ」

 

その言葉に、私は思わず

冷笑を漏らしそうになる。

 

口元を押さえ、さらに身を潜める。

 

二人の会話を聞きながら、

私は冷たい笑みを浮かべた。

 

計画通り♪