浮気

私の夫に手を出すな【15】

 

月の光が窓から漏れる静かな夜。

私はそっとベッドの中で

体を起こし、隣で眠るケンジの顔を

見つめた。

 

「ねえ、ケンジ。

聞こえてる?」

 

と小声で囁いてみる。

もちろん返事はない。

 

「私から逃げられないよ?

ずっとずっと一緒だからね」

 

微かな笑みを浮かべながら、

ケンジの髪に指を滑らせる。

 

「ミカのこと、

考えないでね。

 

他の女性に目を向けたら、

後悔することになるんだからw」

 

ケンジの眉間にしわが寄る。

 

その反応に、少し満足感を覚える。

指先でケンジの首筋を

優しく撫でる。

 

「聞こえてる?

私の愛は永遠だよ。歳を重ねても、

離れることはないからね」

 

静かな笑みを浮かべながら、

再び横になる。

明日の朝食は決まっている。

 

目を閉じながらこれからの日々も、

カレーを食べ続けるケンジの反応を

見るのが、少し楽しみ。

 

「おはよう、ケンジ。

よく眠れた?」

 

「あ、ああ…うん」

 

夫の声には疲れが混じっている。

悪夢でも見たのかな?

 

「今日のお弁当もカレーだよ。

たくさん食べてね」

 

「…ありがとう」

 

彼を送り出す時、

私は優しく微笑んだ。

 

ドアが閉まるのを確認すると、

私の表情が一変する。

次の一手を練る時間だ。