二週間が過ぎた頃、
ケンジの様子に変化が現れ始めた。
頬がやや痩せ、目の下に
うっすらと隈が見える。
いつもの元気さも少し影を
潜めているみたい。
この変化を見て、私の胸の中で
小さな喜びが膨らんでいく。
私
「あれ?顔色が悪いよ?
具合でも悪い?大丈夫?」
甘く毒のある声で問いかける。
ケンジは弱々しく答える。
夫
「ああ…胃が…」
その言葉を遮るように、
私は冷たい笑みを浮かべる。
私
「心配しないで。
今日のカレーは特別。
胃に優しいスパイスを使ったの。
ほら、食べて?」
皿に盛られた黄金色のカレー。
その香りが部屋中に漂う。
ケンジの顔が
一瞬引きつるのを見逃さない。
これは始まりに過ぎないんだよ?
私の心は狂喜に満ちていた。
ねえケンジ、あなたは私のものよ。
ずっとずっと一緒。
たとえ何があっても、
私から逃げられないよ。
だって、
私たちは運命共同体なんだから。
夕食後、明日のカレーの準備を
しながら、私は新しいアイデアを
思いついた。
ルーをゆっくりかき混ぜつつ、
くすくす笑ってしまう。
ねえミカさん?あなたにも
私特製のおもてなしを
用意しないとね。
せっかく私たちの楽しい日常に
乱入してくれたんだもの。
あなたも一緒に
“幸せ”になりましょ♪
退屈な日々とはお別れだよ。
どんな顔するかな?楽しみ〜
鍋の中でトロトロに溶けた
スパイスを見ていたら、
なんだかワクワクしてきた。
このドキドキ感、クセになりそう。
ふふ、明日はどんな楽しいことが
起きるかな。想像するだけで、
目が冴えちゃいそう♪