夫
「え?毎日?」
私
「ん?毎日よだ。私の愛情を、
体に染み込ませるんだー」
私は満足げにケンジを見つめた。
夫の顔には、明らかな
戸惑いの色が浮かんでいる。
また同じメニューかという諦めと、
私の様子を伺う警戒心が
混ざっているように見える。
日々が過ぎ、
ケンジは毎食カレーを食べ続けた。
一週間が経った頃、
夫は恐る恐る尋ねた。
夫
「トウ子、そろそろ
カレー以外のものも…」
私
「え?なんで?だめよ。
これは私の愛だよ?あなたへの愛。
もちろん受け止めてくれるよね?」
私は優しく、そして冷たい目で
ケンジを見つめた。
夫は黙ってうなずいた。
その夜、ケンジが寝静まった後、
私は台所で次のカレーの準備を
しながら独り言を呟いた。
私
「明日も美味しいカレーを
食べてね、ケンジ。
濃厚なルーには私の愛情たっぷり。
スパイシーな刺激は、
あなたへの執着の印かな?
そして、隠し味は…ふふ、
私だけの秘密♪ あなたの全てを
知っているのは私だけ。
だから逃げられないよ。
明日も笑顔でいただきます、
って言ってね」
毎日カレーを食べ続ける
ケンジの様子を見ていると、
まるで私の愛情が少しずつ彼の中に
染み込んでいくようで、
なんだかゾクゾクする。
夫の表情は日に日に
暗くなっていくけど、
それも私への思いが
深まっている証拠。
最近は外出も減って、
私のそばにいる時間が
増えたみたい。
これって、私たちの絆が
強くなってるってことだよね♪