疑惑は日に日に大きくなり、
やがて確信へと変わっていった。
私は、その見覚えのない住所に
向かうことを決意した。
平日の昼下がり、ケンジが仕事中の
時間帯を選んで、
私はその場所へ足を運んだ。
そこは、閑静な住宅街の中にある
小奇麗なマンションだった。
私は慎重にマンションの表札を見
たが、そこにミカの名前は
見当たらなかった。
多くの部屋では
表札が出ていないようだった。
エントランスで様子を
うかがっていると、
ちょうど買い物帰りらしき
中年の女性が入ってきた。
私
「あの、すみません。
ミカさんの
お宅を探しているんですが…」
オバサン
「え?あぁ、ミカさん?
若い女の子よね。
きれいな子で、よくピンク色の服を
着てる子かしら?」
私
「そうです!よかったぁ!
友達なんですけど、
詳しい部屋番号を聞いてなくて…」
オバサン
「あら、そうなの?
確か5階だったと思うわ。
エレベーターを降りて右側よ」
私
「ありがとうございます。
ミカさんとは
お付き合いがあるんですか?」
おばさん
「いいえ、
顔を合わせる程度よ。
でもね、最近妙なのよ。
夜遅くに男の人と一緒に
帰ってくるのを見かけたわ。
若い子だから仕方ないのかしらね」
その瞬間、私の胸に激しい怒りと
嫉妬が込み上げてきた。
ピンク色の服。若い女性。
全てが繋がった。
それからというもの、
私は彼女の行動を監視し始めた。
毎日のように、
家事の合間を縫って
その場所へ向かい、
彼女の一挙手一投足を観察した。