フードデリバリーサービスの
注文履歴に目が止まった。
見覚えのない住所。
しかも、複数回注文している。
私の心臓が早鐘を打ち始めた。
私は眠れなかった。
朝まで、その住所のことばかり
考えていた。
翌日、ケンジが出勤した後、
私はすぐに行動に移した。
インターネットで住所を調べ、
地図を確認する。
そして、愕然とした。その場所は、
ケンジの会社や取引先からは
かなり離れていた。
住宅街の一角。
私の頭の中で、
様々な想像が駆け巡る。
若い女性。艶やかな髪。
白い肌。ケンジと親密に語らう姿。
抱き合う二人。
「やだっ!違う!そんなはずない。
だってケンジは私のもの。
私だけのもなんだから!!」
私は必死に否定しようとした。
でも、現実は残酷。
嘘をつくケンジ。
私を避けるケンジ。
私の中で何かが崩れ始めた。
「大丈夫。大丈夫…
私が何とかするから。
ケンジを守るために。
私たちの愛を守るために…」
鏡に映る自分の顔を見つめながら、
私は決意を固めた。
真実を知るため、
そして必要なら…
邪魔者を排除するために。
この愛を守るためなら、
どんなことだってする。
たとえそれが、誰かを
傷つけることになったとしても…ね