私たちの関係を守るため、
ケンジを完全に取り戻すため、
邪魔者は全て
排除しなければならない。
ミカ、そして彼を奪おうとする
全ての女たち。
誰一人として、私とケンジの間に
入ることは許さない。
この思いが、私の中で
日に日に強くなっていった。
やがて、その思いは
冷たい決意へと変わっていった。
これは、私の愛と執着が生み出す
闘いの始まりだ。
誰にも、決して
私の大切なケンジは渡さない。
そう決意を固めた私だったが、
表面上は何事もないかのように
振る舞うことにした。
ケンジの様子を探るため、
いつものように話しかけてみる。
私
「最近、遅いよね?」
夫
「ごめん。
新しいプロジェクトが始まってさ。
しばらく忙しくなりそうなんだ」
そう言って微笑むケンジに、
私は何も言えなかった。
ただ、胸の奥に小さな棘が
刺さったような気がした。
ある日の夜。ケンジは
珍しく早く帰ってきた。
疲れた様子で、シャワーを浴びると
すぐにベッドに横たわった。
私はケンジが寝息を立て始めるのを
確認すると、こっそりと彼の
スマートフォンを手に取った。
前回の偶然でパスワードが
結婚記念日だと知っていたので、
今回は躊躇なく
画面のロックを解除した。
ごめんね、ケンジ。
でも、これはあなたのため。
私たちの愛のためなんだよ?
そう心の中で呟きながら、
アプリを開いていく。