しかし、彼女を
追跡していくうちに、
違和感を覚えるようになった。
アヤカとケンジの接点は、
オフィスや仕事関連の場所に
限られていたのだ。
ある日、アヤカの後を
つけていると、彼女は見知らぬ
男性と待ち合わせをしていた。
その様子は明らかに
恋人同士のものだった。
その瞬間、私はアヤカが単なる
同僚であることを悟った。
しかし、ケンジの
不審な行動は続いていた。
アヤカではないとすれば、
誰なのか。
そんなある夜、ケンジが入浴中、
リビングテーブルに置かれた
彼のスマートフォンが突然光った。
通知音は消されていたが、
画面が明るく点灯したのだ。
私は思わずその方向に目を向けた。
ケンジが画面のロックを
解除し忘れていたのか、
メッセージの一部が見えている。
差出人の名前は「ミカ」
内容は明らかに親密なもので、
待ち合わせの約束をしていた。
ミカを尾行してみると、
彼女はケンジとホテル街で
落ち合っているのを目撃した。
その瞬間、全ての
疑惑が確信へと変わった。
へぇ?あなただったんだ。
私の夫を奪おうとしているのは…