私
「昨日、電話したんだよ…」
夫
「あ、ごめん。
バッテリーがちゃって!!」
そう言いながら、夫は
視線を逸らした。
その瞬間、私の中の疑念が
大きく膨らんだ。
数日後、私は我慢できずに
夫のスマートフォンを
覗き見てしまった。
パスワードを何度も試し、
ようやく開いた画面に私の目は
釘付けになった。
そこには、「アヤカ」という
女性とのLINEの
やり取りが残されていた。
アヤカ
「昨日は楽しかったです♪
また行きましょう!」
夫
「俺も楽しかったよ。
次はもっと静かな店にしようか」
私の手が震えた。
翌朝、朝食の席で、私は慎重に
尋ねてみた。
心臓の鼓動が早くなるのを
感じながら、できるだけ
自然な声を装って切り出した。
私
「ねえ、ケンジ。
最近、スマホによく通知が
来てるみたいだけど…」
夫
「ん?ああ、うん。
仕事関係の
LINEグループとかからかな」
私
「そう…でも、
個人的なメッセージもあるよね。
アヤカって名前を
よく見かけるんだけど…」
夫
「え?ああ、アヤカか。
新しく入った後輩だよ。
仕事のことで相談に乗ってるんだ」
ケンジの説明は
一見もっともらしかったが、
私の胸の内にある疑念は
消えなかった。
むしろ、その曖昧な返答が不信感を
増幅させた。そこで私は、
アヤカという女性の正体を
突き止めるため、徹底的な
調査を開始することにした。