浮気

私の夫に手を出すな【3】

 

「昨日、電話したんだよ…」

 

「あ、ごめん。

バッテリーがちゃって!!」

 

そう言いながら、夫は

視線を逸らした。

その瞬間、私の中の疑念が

大きく膨らんだ。

 

数日後、私は我慢できずに

夫のスマートフォンを

覗き見てしまった。

 

パスワードを何度も試し、

ようやく開いた画面に私の目は

釘付けになった。

そこには、「アヤカ」という

女性とのLINEの

やり取りが残されていた。

 

アヤカ

「昨日は楽しかったです♪

また行きましょう!」

 

「俺も楽しかったよ。

次はもっと静かな店にしようか」

 

私の手が震えた。

 

翌朝、朝食の席で、私は慎重に

尋ねてみた。

心臓の鼓動が早くなるのを

感じながら、できるだけ

自然な声を装って切り出した。

 

「ねえ、ケンジ。

最近、スマホによく通知が

来てるみたいだけど…」

 

「ん?ああ、うん。

仕事関係の

LINEグループとかからかな」

 

「そう…でも、

個人的なメッセージもあるよね。

アヤカって名前を

よく見かけるんだけど…」

 

「え?ああ、アヤカか。

新しく入った後輩だよ。

仕事のことで相談に乗ってるんだ」

 

ケンジの説明は

一見もっともらしかったが、

私の胸の内にある疑念は

消えなかった。

 

むしろ、その曖昧な返答が不信感を

増幅させた。そこで私は、

アヤカという女性の正体を

突き止めるため、徹底的な

調査を開始することにした。