病室の床に手をつき、
夫
「…ごめん…。
今まで悪かった。許してほしい」
ようやく頭を下げた。
いや、病室の床に手をつくの、
汚いと思うからやめて欲しい…。
ユウヘイの謝罪が
心に響かなかった私は、
明後日の方向に思考が向いていた。
現実に引き戻したのは
マサトの声だった。
マサト
「私はトウ子さんと
再会した時に、妊婦姿だったのを
見て幸せな
結婚生活を送っているものと
ばかり思っていました。
しかし、蓋を
開けてみればこのザマです。
今後、あなたに任せても
トウ子さんを
幸せにできるとは到底思えません
私は子供の頃から
トウ子さんに
思いを寄せていました。
それを伝えないまま、
地元を去りました。
そのことを大人になってからも
ずっと後悔していたんです。
だから、私はあなたに感謝します。
こんなに素敵な
トウ子さんを
手放してくださったから…
トウ子さんだけではありません。
双子の子供たちも全力で愛します。
血の繋がりなんて関係ない。
僕の大事な子供として、
大切に育てます!」
こ…これは!
告白ではないか!
私の心臓は年甲斐もなく跳ね上がった。