浮気

娘の誕生日をすっぽかし家を出ていく夫…【14話】

 

「扶養的財産分与?」

 

夫だけではなく私も、

そんな言葉が娘の口から

出てきたことに驚いた。

 

離婚によって夫婦の片方が

困窮する場合、経済的に

自立するまでの間、

もう片方が生活費の相当額を

負担すること、らしい。

 

私は専業主婦でアラフォー。

 

すぐに職を見つけることが

難しい反面、

夫は一流企業勤めで

高給取りだから

当てはまるとのことだ。

 

娘がわかりやすいように

説明していくと、

夫の顔が

みるみる青ざめていった。

 

シズク

「お母さんの状況を

考えると、生活費1年分は

いけるかも」

 

「1年!?慰謝料と

養育費に加えて、だろ!?

いくら何でも無理だ。

 

もう一度

家族としてやり直そ…」

 

私・シズク

「「絶対に嫌!」」

 

「くそ!その紙を返せ!」

 

夫が離婚届を取り返そうと

私たちに掴みかかろう

としたところで、

再び店のドアが開いた。

 

シズク

「あ!お祖父ちゃん、

お祖母ちゃん!」

 

入って来たのは

夫の両親だった。

家を出る前に娘が電話で簡単に

事情を話していたため、

駆けつけてくれたのだ。