浮気

娘の誕生日をすっぽかし家を出ていく夫…【12話】

 

「は…?俺たち…?え?

あれ?

…相性が良かったんじゃ?

お前も言ってたよな?」

 

シズク

「気づいて

なかったんだ。

 

レナさんがアンタと

話すときには

『相槌のさしすせそ』

ばっかり使ってたじゃん」

 

「相槌のさしすせそ」とは

「さすが」

「知らなかった」

「すごい」

「センスがいい」

「そうなんだ」

それに類するものだ。

 

レナ

「ふふ。どんな気持ち?」

 

「…ん?

どんな気持ちってなに?

どうした?」

 

レナ

「入れ込んだ相手から、

ポイ捨てされるのって

どんな気持ち?」

 

「…何を言ってるんだ…?」

 

レナ

「私、ケイゾウと前に

付き合ってる時、

本当にあなたのことが

好きだったのよ。

それなのにあなた…

『他に気になる子が

出来たから、

お前とはもういいや』…

って一方的に

振ったでしょ。

私、アレを

根に持ってたのよね。

あ~スッキリ」

 

クスクスと

嬉しそうに笑うレナ。

 

若気の至りとはいえ、

薄情な夫の振舞いとレナの

執念深さに娘は1歩下がった。